松本 優(平成15年卒)
National Institutes of Health / Laboratory of Human Carcinogenesis / NCI / CCR
留学しようと思ったきっかけ
医師として8年目が経ち臨床や研究に従事しているなかで、肺がんに対する抗がん剤治療も次々と新薬が出現し、分子標的薬という概念が一般的になった時期でもあり治療の常識がどんどん変化している事に、研究への興味が深まりつつありました。その頃、弦間学長をはじめとする当科の諸先輩方が留学されているNIHへの留学のお話を頂き、研究を志すものとしては大変魅力的な留学先だったので自分を試してみるには良い機会と考え、留学を決意しました。
留学までの準備
まず、J1ビザ取得にあたり、DS2019を得るのが最優先事項となります。慣れないなか、英語で先方の秘書とやり取りをし、契約の書類にサインをし、ものによっては郵送またはスキャンしてEメール、といった形でやり取りを全部自ら行います。書類のやり取りが済んだら、次は引っ越しの準備です。私は単身でしたが、ご家族で渡米となると、もう少し大変かもしれませんね。
留学先の一員として
私が所属しているのは、National Cancer Institute(米国がん研究所)に所属するLaboratory of Human Carcinogenesis(発がんに関する研究所)であり、メリーランド州のベセスダに位置します。Curtis Harris博士の指導の下、肺がんの発がんに係る研究をしています。
Harris博士のラボは規模が大きく、沢山の研究者がおりその多くは留学者で人種も多種多様です。アメリカ人は片手で数えられるくらいしかいません。ラボの雰囲気ものびのびとしており、皆協力的です。しかし、中には日本人の感覚とは少しズレもありそれに面食らったものです。ですがこうした感覚の違いは、チームのメンバーとよくコミュニケーションを取ることにより改善が期待できることでもあります。ちなみに、英語でコミュニケーションをとっています。