肺生理グループ(COPD・気管支喘息を中心)の診療・研究
当科は、呼吸器疾患の診療と研究において長年の実績を積み重ね、呼吸器医療の最前線でその発展を牽引しています。咳嗽、喀痰、労作時の呼吸困難、低酸素、睡眠障害といった呼吸器疾患が患者の生活に与える負担を軽減し、個々の患者に最適な診療を提供することを目指しています。
診療と臨床研究
当施設では、呼吸ケアクリニックとも連携し従来の呼吸機能検査、エックス線、CTに加えて、MOSTGraphを用いた気道抵抗の測定*1や呼気中一酸化窒素(FeNO)濃度の測定*1、最大運動耐容能の評価などの先進的かつ緻密な検査を取り入れ、さらに右心機能の評価に特化したドップラー心臓超音波検査や右心カテーテル検査を通じて、病態を多角的に評価しています。このような包括的な診療アプローチにより、当科は呼吸器疾患の専門医療機関として高く評価されています。
*1呼吸ケアクリニック
臨床研究の推進
私たちは、呼吸器疾患診療の最前線で、最良の医療を追求し、世界に向けて発信を続けることで、呼吸器疾患診療の発展を牽引しています。 また、診療現場で得た知見を発表する機会も多く提供しています。
これまで、COPDに対するICS効果の検討(Yuasa M, et al. Cureus. 2021)などを発表してきました。加えて、現在は中国からの研究生が中心となり、ドップラー心エコーを用いたCOPD患者の肺血管病変評価に関する論文を作成中であり、発表に向けて準備を進めています。
これらの研究活動を基に、喘息に対する生物学的製剤の治療成績や、COPD・喘息・慢性咳嗽に関する更なる病態研究も進行中です。
外来診療の実績
2024年度の新患は1,728名で、そのうち喘息・COPDが409名、びまん性肺疾患が236名を占めました。
特に喘息に対する生物学的製剤の導入患者数は、付属病院と呼吸ケアクリニックを合わせて157例と全国有数の実績を誇ります。
肺高血圧症への取り組み
当科は右心カテーテル検査を実施する数少ない呼吸器内科として、肺高血圧症や呼吸不全の予後改善に積極的に取り組んでいます。perfusion SPECT/CTを用いた評価法の提案や治療効果の検討(Kashiwada T, et al. BMC Pulm Med. 2024, Tanaka Y, et al. Respir Med Case Rep. 2024 ほか)など、豊富な成果を蓄積しています。さらに、多施設共同レジストリ「JAPHR」への参画や、第IIb相無作為化試験(Re-PHIRE)など新規治療薬開発にも積極的に携わっています。
(文責:田中庸介)
